香港 一般ニュース

香港・2012-13年度予算案

2012-13年度予算案で財政司長は、下段の措置を提案した。

2011-12年度の利得税(法人及び個人事業)、給与所得税、及びパーソナル・アセスメントの税額を軽減

財政司長は、2011-12年度の利得税(法人及び個人事業)、給与所得税、及びパーソナル・アセスメントでの確定税額に対し、12,000ドルを上限とする75%の減税措置を提案した。

当該減税措置は、資産所得税には適用されない。賃貸収入がある個人は、パーソナル・アセスメントを適用できる場合、パーソナル・アセスメントの下で当該減税措置を享受することができる。利益のある事業者は、パーソナル・アセスメントを選択するかどうかにかかわらず、減税の恩恵を受けることができる。しかし、享受できる減税額は、パーソナル・アセスメントの下では異なる場合がある。正確な減税額は、ケースごとに判断される。事業収入や賃料収入のある個人は、2011-12年度の税務申告においてパーソナル・アセスメントの選択することができる。税務当局は、パーソナル・アセスメントの選択が納税額を減額できるかどうかをケース毎に確認し、最も有利な方法で納税義務者を査定する。

所得控除の増額

財政司長は、2012-13年度から下段の所得控除を増額することを提案した。
香港2012-2013所得控除

高齢者介護の控除上限を増額

財政司長は、2012-13年度から72,000ドルから76,000ドルまで、高齢者介護費用の控除の上限を増やすことを提案した。

住宅ローン利息の控除年数を延長

財政司長は2012-13年度より、住宅ローン利息控除年数を10年から15年へ延長することを提案した。しかしながら、控除上限の年間100,000ドルは維持される。提案された延長措置は、遡及的効力を持たない。つまり、1998-99年度から2011-12年度までの間に既に10年間の住宅ローン利息の控除を享受し終えている納税者は、当該控除年数が延長されても、同期間中の住宅ローン利息のさらなる控除を得ることができない。該当者は2012-13年度以降の計5年間の控除のみ請求することができる。

MPF(強制積立年金)に対する強制積立金控除の増額

財政司長は、MPF(強制積立年金)に対する強制積立金控除の上限を、2012-13年度は年間12,000ドルから14,500ドルに増額し、2013-14年度以降には15,000ドルへ増額することを提案した。この変更は、強制積立金制度条例の下、MPFに関する最大所得水準の額が、2012年6月から25,000ドルまで引き上げられることにともない、提案されている。

2012-13年度の商業登記料を免除

財政司長は、すべて事業者の利益のために2012-13年度の商業登記料を免除するよう提案した。

租税措置の実施詳細

(a)2011-12年度の税額控除

この措置は、法人か非法人にかかわらず利得税(法人及び個人事業)を納付する事業主、給与所得税納税者、並びにパーソナル・アセスメントを選択している個人に恩恵をもたらすこととなる。当該税額控除は2011-12年度の確定税額の75%または12,000ドルのいずれか低い方である。例えば、確定納税額が10,000ドルである場合、7,500ドルが控除され、2,500ドルの残高を支払わなければならない。
利得税(法人及び個人事業)については、当該上限額は事業毎に適用される。給与所得税について、各ケースの12,000ドルの上限は、個々の納税者に適用される。しかしながら、共同で査定した夫婦には、当該上限額はそれぞれの夫婦に適用される。パーソナル・アセスメントでは、独身の納税者は、個々に当該上限額を享受できる夫婦である場合、パーソナル・アセスメントの選択を一緒に行う必要があり、それゆえ、上限は夫婦毎に適用される。
給与所得税と利得税(法人及び個人事業)を別々に課税している納税者は各税金に対し、当該税額控除を享受することができる。しかし、パーソナル・アセスメントを選択する場合は、給与所得税、利得税(法人及び個人事業)と資産所得税の課税所得は、パーソナル・アセスメントでは集計されて、納税額が計算される。従って、当該税額控除はパーソナル・アセスメントでの納税額に基づく必要がある。個人査定に適用するには、納税者は、個人所得申告書(BIR60)のパート6を記入する必要がある。税務当局はそれぞれのケースでの納税額に対する控除額を確認し、最も有利な方法で、それぞれの納税者を査定する。
給与所得のみで事業収益、賃貸収入のない個人が、パーソナル・アセスメントを選択することは必須ではない。
当該減税措置は、納税者にただちに税の還付をするものではなく、2011-12年度の納税額を減税することとなる。納税者は、来る4月と5月にそれぞれ発行される2011-12年度の法人税申告書と個人所得税申告書を、通常事通り申告する必要がある。税務当局は、関連法規の制定時に、最終査定税額に対し当該控除を反映する。法律の制定以前に発行された2011-12年度の最終査定税額については、税務当局は、制定後に再査定を行う。過払い税金は2012年7月下旬以降から払い戻される見込みである。納税者は、税務当局に申請や照会をする必要はない。
当該減税措置は2011-12年度の最終査定税額のみに適用され、同年度の予定納税率に適用されない。したがって、納税者は、提案された控除があるかにかかわらず、2011-12年度の予定納税を期限どおり支払う必要がある。既に支払われている予定納税分は、2011-12年度の確定税額と2012-13年度の予定納税額に適用される。もし過払い税金があれば、返金される。

(b)2012-13年以降適用される税制上の措置

法改正は、予算で提案されている税制上の各措置施行のために必要とされる。関連法規の制定後、税務当局は、新しい控除基準を自動的に2012-13年度の予定給与所得税の算出に適用する。納税者は、2011-12年度の、税務申告書を記入することだけが必要とされ、別途申告書を作成する必要はない。