ベトナム ベトナム会計税務要点解説
[ベトナム要点解説] 利益還元手続き
1. 還元可能な利益
ベトナムに直接投資を行ったことで得た利益に関し、規則に則った財務的義務の完了後に還元することが可能である。財務的義務とは、法人所得税の確定申告納税及び法定監査を指す。
還元可能利益の算出は、以下である。
(1)継続企業の場合
直接投資からの稼得当期利益(監査済決算報告書及び法人所得税確定申告を基とする)+当年度以前の未処分利益-再投資予定額あるいは将来の事業活動に必要な費用額
なお、当期利益が発生しても、累積損失との相殺後も損失が残る場合は、利益を還元することができない。
例1)2009年度に直接投資を開始、当該年度損失が40億VNDであった。2010年度の税引前当期利益が30億VNDとなった場合、前年度の損失と相殺すると10億VNDが損失として残るため、利益還元をすることができない。
例2)2009年度に直接投資を開始、当該年度損失が40億VNDであった。2010年度の税引前当期利益が50億VNDとなった場合、前年度の損失と相殺すると10億VNDが利益として残る。この企業が法人所得税率25%を適用されるならば、税引後の7.5億VNDを利益還元することが可能。
(2)会社清算の場合
直接投資からの稼得利益合計額-事業期間中に還元した利益額及び会社清算に必要な額
2. 還元方法
- 海外送金の場合
- 現物還元
外為管理法に準拠し、資本金口座から送金を行う。
物品の輸出入に関する法に準拠して現物を引き渡す。
3. 還元のタイミング
- 継続企業の場合
- 会社清算の場合
決算期末の法定監査を受け監査報告書を当局に提出、かつ法人所得税確定申告書を税務当局に提出し納税が完了した後。
清算に伴う法定監査を受け監査報告書を当局に提出、かつ法人所得税確定申告書を税務当局に提出し納税、その他税務管理法に基づく税務義務が全て完了した後。
いずれの場合も、支払いあるいは現物配送の7営業日前までにその旨を管轄の税務当局に通知する必要がある。