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[全訳] 自由貿易試験区外商投資備案管理弁法(試行)
自由貿易試験区外商投資備案管理弁法(試行)
「公布単位」中華人民共和国商務部
「公布番号」2015年第12号
「公布期日」2015-4-8
対外開放をさらに拡大し、外商投資管理制度の改革を促進し、自由貿易試験区(以下「自由貿易試験区」と称する)にて国際化、法治化、市場化の商業環境を創造するため、全国人民代表大会常務委員会の授権を経て、国務院は自由貿易試験区において外商投資に対して参入前国民待遇にネガティブリスト管理モデルを加えて実行することを決定した。外商投資管理モデル改革の関連要求を徹底的に実行し、自由貿易試験区の外商投資備案管理業務を規範化するために、ここに「自由貿易試験区外商投資備案管理弁法(試行)」を公布し、公布日より30日後に実施する。
商務部
2015年4月8日
第一条 対外開放をさらに拡大し、外商投資管理制度の改革を促進し、中国(広東)自由貿易試験区、中国(天津)自由貿易試験区、中国(福建)自由貿易試験区、中国(上海)自由貿易試験区(以下「自由貿易試験区」と称する)にて国際化、法治化、市場化の商業環境を創造するために、「全国人民代表大会常務委員会、中国(上海)自由貿易試験区において関連法律が規定する行政審査批准の一時的調整を国務院に授権することに関する決定」、「全国人民代表大会常務委員会、中国(広東)・中国(天津)・中国(福建)自由貿易試験区及び中国(上海)自由貿易試験区拡大区域において関連法律が規定する行政審査批准の一時的調整を国務院に授権することに関する決定」、関連法律、行政法規及び国務院の決定に基づき、本弁法を制定する。
第二条 外国投資者が自由貿易試験区において「自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)」以外の領域に投資し、外商投資企業設立、変更(以下「投資実施」と総称する)及び契約定款の備案を行う場合、本弁法を適用する。法律、行政法規及び国務院の決定に別途規定のある場合、その規定に従う。
投資実施の日付は、外商投資企業の設立において、企業の営業許可証の発行日とする。外商投資企業の変更において、企業の営業許可証の更新に係る場合、投資実施の日付は企業の営業許可証の更新日とする。企業の営業許可証の更新に係らない場合、投資実施の日付は変更事項の発生日とする。
第三条 自由貿易試験区管理機構(以下「備案機構」と称する)は自由貿易試験区の外商投資事項の備案管理に責任を負う。
備案機構は商務部外商(香港・マカオ・台湾人)投資備案情報システム「以下「備案システム」と称する」を通して自由貿易試験区の外商投資事項の備案業務を展開する。
第四条 外国投資者が自由貿易試験区において企業を投資・設立し、本弁法に規定する備案範囲に該当する場合、外国投資者は企業名称事前承認通知書を取得した後、投資実施の前若しくは投資実施日より30日以内に、自由貿易試験区一括受理プラットフォーム(以下「受理プラットフォーム」と称する)にログインし、オンラインで「自由貿易試験区外商投資企業設立備案申告表」(以下「設立申告表」と称する)を記入及び提出することができる。
第五条 本弁法が規定する備案範囲に属する外商投資企業は、以下の変更事項が発生する場合、投資実施の前若しくは投資実施日より30日以内に、オンラインで「自由貿易試験区外商投資企業変更事項備案申告表」(以下「変更申告表」と称する)を記入及び提出し、変更備案手続きを取扱うことができる。
(一)投資総額の変更
(二)登録資本の変更
(三)持分、合作権益の変更若しくは譲渡
(四)持分の質権設定
(五)合併、分割
(六)経営範囲の変更
(七)経営期限の変更
(八)繰上終了
(九)出資方式、出資期限の変更
(十)中外合作企業の外国合作者による投資先行回収
(十一)企業名称の変更
(十二)登録住所の変更
その内、関連法律法規の規定に基づき公告を行わなければならない場合、変更備案手続きを行う際に法に従い公告手続きを取扱う状況を説明すべきである。
第六条 備案管理の外商投資企業に審査・批准する必要のある変更事項が発生した場合、外商投資管理の関連規定に基づき審査・批准手続きを取扱うべきである。
第七条 自由貿易試験区内において本弁法の実施前に設立済の外商投資企業に変更が発生し、又は自由貿易試験区外部から外商投資企業が転入し、且つ本弁法が規定する備案範囲に属する場合、変更備案手続きを取扱い、「外商(香港・マカオ・台湾人)投資企業批准証書」を返還しなければならない。
第八条 外国投資者若しくは外商投資企業は「設立申告表」若しくは「変更申告表」を提出する際に、申告内容が真実、完全、有効で、申告する投資事項が関連法律法規の規定に合致することを承諾する。
第九条 外国投資者若しくは外商投資企業がオンラインで「設立申告表」若しくは「変更申告表」を提出した後、備案機構は申告事項が備案範囲に属するかどうか選別する。本弁法が規定する備案範囲に属する場合、備案機構は3営業日以内に備案を行い、外国投資者若しくは外商投資企業に通知しなければならない。備案範囲に属しない場合、外国投資者若しくは外商投資企業に関連規定に基づき審査・批准手続きを取扱うことを通知する。
第十条 備案機構は速やかに備案システムにて備案結果を公布し、受理プラットフォームに備案結果情報を共有しなければならない。
第十一条 備案完了通知を受領した後、外国投資者若しくは外商投資企業は備案機構から「外商投資企業備案証明」(以下「備案証明」と称する)を受取ることができる。受領時に以下の書類を提出しなければならない。
(一)企業名称事前承認通知書(コピー)
(二)外国投資者若しくはその授権代表者がサインした「設立申告表」、或いは外商投資企業若しくはその授権代表者がサインした「変更申告表」
(三)外国投資者、実際支配者の主体資格証明若しくは身分証明(コピー)
第十二条 自由貿易試験区の外商投資企業は毎年の6月30日までに備案システムにログインし、「外商投資企業投資経営状況年度報告表」を記入しなければならない。
第十三条 備案機構は、自由貿易試験区の外国投資者及び外商投資企業の外商投資法律法規の規定の遵守状況に対し、監督検査を実施する。
備案機構は、定期的な抜取検査、告発に基づく検査、関連部門若しくは司法機関の提案と報告に基づく検査、及び法定の職権に基づき検査を行うなどの方式を採用して、監督検査を展開することができる 。
第十四条 備案機構の監督検査内容は、外国投資者若しくは外商投資企業が本弁法規定に基づき備案手順を履行しているかどうか、外商投資企業の投資経営活動が申告した備案情報と一致しているかどうか、本弁法規定に基づき年度報告を記入しているかどうか、外商投資法律法規の規定に違反するその他状況が存在しているかどうかを含む。
第十五条 監督検査を経て外国投資者若しくは外商投資企業に外商投資法律法規の規定に違反する状況が存在することを発見した場合、備案機構は書面通知で状況に関する説明を要求し、また法に従い調査を展開しなければならない。調査を経て違法行為の存在を確認した場合、期限を切って是正するよう命じる。状況が深刻な場合、備案機構は備案を取消し、関連部門に法に従い処罰するよう要請する。
第十六条 外国投資者、外商投資企業の備案、登記及び投資経営などの活動において形成された情報、及び備案機構とその他主管部門が監督検査において把握したその信用状況を反映する情報は、商務部外商(香港・マカオ・台湾人)投資信用履歴システムに組み入れる。
商務部と関連部門は外国投資者及び外商投資企業の信用情報を共有する。備案情報が真実ではない、或いは本弁法規定に基づき年度報告を記入していない場合、備案機構は関連情報を信用履歴に記入し、適当な方式を採用して開示する。
信用情報の共有及び開示は外国投資者、外商投資企業の商業秘密、個人プライバシーを含んではならない。
第十七条 自由貿易試験区の外商投資事項が国家安全審査、独占禁止審査に係る場合、関連規定に基づき取扱う。
第十八条 外商投資の投資性会社、創業投資企業が自由貿易試験区において投資する場合、外国投資者と見なして本弁法を適用する。
自由貿易試験区内の外資による買収、外国投資者の上場企業に対する戦略投資、外国投資者がその所有する中国国内企業持分による出資、外商投資企業の国内再投資は、関連規定の要求に合致しなければならない。
第十九条 香港特別行政区、マカオ特別行政区、台湾地区の投資者が自由貿易試験区において「自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)」以外の領域に投資する場合、本弁法を参照して取扱う。
(原文)