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[M&A] 金融競争力ランク、2年連続で香港は世界首位
ダボス会議を主催する世界経済フォーラム(WEF)が発表した2012年版金融開発報告書で、香港は昨年に引き続き金融競争力で世界トップになった。金融システムが高く評価された。
2位は米国、3位は英国で、4位はシンガポール。6位までの順位は前回と変わらなかった。日本は1ランク上げ、7位に入った。
今回は世界62カ国・地域を対象に実施した。金融競争力に関する7つの項目をそれぞれ評価。その結果を金融開発指数として数値化し、ランク付けした。
香港の評価を見ると、7項目すべてでトップ10入りしたものの、4項目でライバルとされるシンガポールに抜かれた。
「ビジネス環境」では、香港は税金やインフラが高く評価され、シンガポールに次ぐ2位につけた。「金融の安定性」では、マクロ経済指標の弱さなどを反映して香港は8位に落ち込み、3位のシンガポールに大きく差を付けられた。「金融市場」では株式市場の発展が世界トップとの高評価を受けた。
一方、銀行システムの大きさや効率性の高さが評価され、香港は「銀行サービス」で1位を獲得。「非銀行サービス」では、新規株式公開(IPO)活動で高評価を受けた。「金融アクセス」では、リテール部門が商業部門の高評価の足を引っ張り、香港は前回の首位から4位に一気に転落した。
■財政長官「さらなる強化」
香港政府の曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官は1日、香港が国際金融センターとして2年連続でトップに立ったことに歓迎のコメントを寄せた。その上で「報告書の内容をよく検討し、金融センターまたオフショア人民元センターとして、多方面での強化を図っていきたい」と語った。