香港 中国アジア法令Q&A

[Q&A] 中国独資子会社による香港支店・駐在員事務所の設立

Q. 日本企業の中国子会社(独資)が香港支店または香港駐在員事務所を設置することは可能でしょうか?

可能な場合どのような手続きが必要でしょうか?教えていただければ幸いです。

記事の内容は、法規定の変更などにより、現在の状況と異なっている場合がありますのでご留意ください。

A. 日本企業の中国子会社(独資)が香港に香港支店、または香港駐在員事務所を設置することは可能です。
その場合、外国法人の香港支店、駐在員事務所として登記されます。

その際の手続きの流れと必要な情報は、以下のようになります。

外国法人の香港支店

・支店設立の手順

① 取締役により、本店の定款、設立証明書、決算書、監査報告書(ある場合)のコピーに、原本証明を行う。
② 香港支店の代表者を決定し、③にて支店登記書類とともに就任登記を行う。
③ 登記に必要な書類を会計事務所にて作成。
④ ③の書類に香港支店代表者が署名。
⑤ ①及び③で準備し署名済み書類を会社登記局へ申請提出。
⑥ 会社登記局が香港支店登記証明書を発行(申請から発行まで約2.5週間)
⑦ 香港税務局商業登記署に商業登記証の申請、即日発行。
⑧ 香港支店の会社印作成
⑨ 設立登記手続完了

設立登記手続きは、上記の手順となります。会社登記局へは、毎年、香港支店設立登記日から42日以内に会社登記局所定の「年次報告書」、「本店の決算書(ある場合は監査済決算書)」を提出することが義務付けられています。

外国法人の駐在員事務所

・駐在員事務所設立の手順

① 本店の設立証明書(設立証明書を発行しない国の場合は、登記簿謄本)のコピー
中国の場合、公式書類に簡体字が使用されておりますが、香港政府は、簡体字を翻訳無しで受理いたしますので、設立証明書のコピーを提出する運びとなります。
英語、中国語以外の言語であった場合には、英語に翻訳が必要になり、英語に翻訳後、公証人により翻訳証明を受けてから、提出します。

② 登記に必要な書類を会計事務所にて作成。
③ ②の書類に取締役が署名した後、香港税務局商業登記署へ商業登記証の申請、即日発行。
④ 設立登記手続完了

商業登記証は、年度更新となりますので、2年目に商業登記署より、登記住所あてに更新された新しい商業登記証が送られてまいりますので、期限までに登記料を政府へ納める運びとなります。