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[全訳] 防暑降温措施管理弁法の配布に関する通知

防暑降温措施管理弁法の配布に関する通知
安監総安健(2012)89号
原文

各省、自治区、直轄市及び新疆生産建設兵団安全生産監督管理局、衛生庁(局)、人力資源社会保障庁(局)、総工会、各省級炭坑安全監察局:

近年、夏季の高気温により、屋外作業労働者の中から日射病を引起し、さらには死亡事件が発生することもあり、労働者の健康と生命の安全に重大な損害を与えることが、各社会が注目する重要な問題となっている。高温下での作業、高気温での作業労働保護を強化し、労働者の健康及びその関連権益を維持するため、国家安全監督管理総局、衛生部、人力資源社会保障部、全国総工会は《防暑降温措施暫行弁法》(<60>衛防銭字第207号)を改訂し、《防暑降温措施管理弁法》を制定し、ここに各所へ配布するので、内容に従い真摯に執行することを望む。

国家安全生産監督管理総局

衛生部
人力資源・社会保障部
中華全国総工会
二〇一二年六月二十九日


防暑降温措施管理弁法

第一条 高温下での作業・高気温での作業労働保護を強化し、労働者の健康及びその関連権益を維持するため、《中華人民共和国職業病防治法》、《中華人民共和国安全生産法》、《中華人民共和国労働法》、《中華人民共和国工会法》等の関連法律、行政法規の規定に基づき、本弁法を制定する。

第二条 本弁法は高温下での作業及び高気温期間において労働者を作業に従事させる企業、公共機関と個人経済組織等の雇用機関に適用される。

第三条 高温作業とは高気温、強い熱放射、又は高湿度(相対湿度>=80%RH)が結びついた異常な作業条件や、湿球黒球温度指数(WBGT指数)が規定限度値を超える作業を指す。

高気温とは地方市級以上の気象主管部門に属する気象台が公衆対し公布するその日の最高気温が35度以上の天気を指す。

高温作業とは雇用機関が高気温期間において労働者を高温自然気象環境下での作業に従事させることを指す。

職場の高温作業WBGT指数の測定は、《職場物理要素測量 第7部分:高温》(GBZ/T189.7)に従い執行する。高温作業職業接触限定値は《職場有害要素職業接触限定値第2部分:物理要素》(GBZ2.2)に従い執行する。高温作業等級分別は《職場職業病危害作業等級分別第3部分:高温》(GBZ/T229.3)に従い執行する。

第四条 国務院安全生産監督管理部門、衛生行政部門、人力資源社会保障行政部門は関連する法律、行政法規及び国務院が明確にする職責に従い、全国の高温作業、高気温作業労働保護の監督管理業務に責任を負う。

県級以上の地方人民政府安全生産監督管理部門、衛生行政部門、人力資源社会保障行政部門は法律、行政法規及び各自の職責に従い、本行政地域内の高温作業、高気温作業労働保護の監督管理業務に責任を負う。

第五条 雇用機関は防暑高温の健全なシステムを構築し、有効な措置を取り、高温作業、高気温作業労働保護の業務を強化し、労働者の健康と生命の安全を確保するべきである。

雇用機関の主要責任者は自らの機関の防暑高温対策に全面的な責任を負う。

第六条 雇用機関は国家の関連規定に基づき、生産現場を合理的に配置し、生産技術と操作プロセスを改善し、良好な断熱、通風、温度降下措置を取り、職場が国家職業衛生標準の要求に合うよう保証しなければならない。

第七条 雇用機関は以下の高温作業労働保護措置を徹底しなければならない:

(一)高温制御に有益な新技術、新材料、新設備を優先採用し、抜本的に高温危害の低減又は除去を行う。生産工程中、完全に除去不能な高温危害に対しては、総合的コントロール措置を取り、国家職業衛生標準の要求に符合しなければならない。

(二)高温職業病危害が存在する建設プロジェクトは、その設計を国家職業衛生関連標準及び衛生要求に合うように保証しなければならず、高温防止設備を主要工程と同時に設計、同時に施工及び同時に生産・使用しなければならない。

(三)高温職業病危害が存在する雇用機関は、専任責任者による高温日常観測を実施しなければならず、関連規定に従い職業病危害要素のチェック、評価を行う。

(四)雇用機関は関連規定に従い、高温危害作業をする労働者一同が持ち場に就く前、作業中及び持ち場を離れる際に職業健康診断を行わなければならず、検査結果を職業健康看護書類に保存し、書面で労働者に告知する。職業健康検査費用は雇用機関が引き受けるものとする。

(五)雇用機関は妊娠中の社員と未成年者を《職場職業病危害作業等級分別第3部分:高温」(GBZ/T229.3)中の第三級以上の高温職場で作業に従事させてはいけない。

第八条 高気温期間においては、雇用機関は以下の規定に従い、生産の特徴と具体的条件に基づき、勤務時間、交代作業、高温作業環境下で働く労働者の休憩時間及び労働耐久力の軽減、高温時の屋外作業を減少させるなどの合理的に配置する措置を取らなければならない:

(一)雇用機関は地級市以上の気象主管部門に属する気象台が当日公布した気温予報に従い、作業時間を調整しなければならない。但し、人身財産安全と公衆利益のために緊急に処理すべき場合は除く:

1.その日の最高気温が40度以上の場合、当日の屋外作業を停止しなければならない。

2.その日の最高気温が37度以上、40度以下の場合、雇用機関は労働者の一日の屋外作業時間が累計6時間を越えさせることはできず、連続作業時間も国家規定の時間を越えてはいけない。更に最高気温時の三時間以内には屋外作業に従事させてはいけない。

3.その日の最高気温が35度以上、37度以下の場合、雇用機関は交代で休ませるなどの方法を取らねばならず、労働者連続作業時間を短縮し、且つ屋外作業労働者に残業させてはいけない。

(二)高気温が発生する前に、雇用機関は高気温下で作業する労働者に健康診断を行わなければならない。心臓、肺、脳血管性疾病、肺結核、中枢神経系疾病及びその他身体状況が高温作業環境に相応しくない労働者に対して、持ち場の調整を行わなければならない。職業健康検査費用は雇用機関が引き受けるものとする。

(三)雇用機関は妊娠中の社員と未成年者に35度以上の高気温期間での屋外作業、及び33度以上の職場で作業に従事させてはいけない。

(四)高気温により作業停止、作業時間を縮めた場合、雇用機関は労働者の賃金を控除又は減額することはできない。

第九条 雇用機関は労働者に対し要求に合った個人用防護用品を提供しなければならず、労働者が正確に使用できるよう励行、指導しなければならない。

第十条 雇用機関は労働者に対し持ち場に就く前の職業衛生研修及び作業中の定期職業研修を行い、高温防護、日射病救急等の職業衛生知識を普及しなければならない。

第十一条 雇用単位は高温作業、高気温作業労働者に十分で衛生標準に合う防暑高温対策の飲料及び必要な薬を提供しなければならない。

防暑高温対策の飲料提供の代わりに金銭を支給することはできない。防暑高温対策の飲料は高温手当に充当することはできない。

第十二条 雇用機関は高温の職場環境では休憩場所を設置しなければならない。休憩場所には椅子を設置し、良好な通風状況の維持、又はクーラー等の防暑高温対策設備を設置しなければならない。

第十三条 雇用機関は日射病応急対策案を制定し、定期的に応急救援の訓練を行い、且つ高温作業及び高気温作業労働者の人数及び作業条件等の状況に基づき、応急救援人員と十分な薬品を準備しなければならない。

第十四条 労働者が日射病の症状が現れた場合、雇用機関は直ちに救助措置を取り、迅速に高温環境から離脱させ、風通しの良好な涼しい場所で休息させ、防暑高温対策の飲料を提供し、且つ必要な症状に応じた措置を取らなければならない。病状が重い場合、雇用機関は速やかに医療衛生機構へ搬送し治療させなければならない。

第十五条 労働者は雇用単位が行う高気温作業時間又は作業場所、作業内容についての合理的調整に従わなくてはならない。

第十六条 工会組織は労働者を代表して、高温作業と高気温労働保護事項について雇用機関と平等に協議し、集団契約書又は高温作業及び高気温労働保護特定集団契約書に署名する。

第十七条 高温作業に従事する労働者は、法律に基づき特別手当を享受する。

雇用機関は労働者に35度以上の高気温で屋外作業に従事させ、職場温度を33度以下に低下させるための有効な措置を取れない場合、労働者に高温手当を支給しなければならず、賃金総額に含まれる。高温手当の基準は省級人力資源社会保障行政部門及び関連部門が共同で制定し、社会経済発展状況に基づき、適時に調整する。

第十八条 職業性日射病診断を担当する医療機構は、省級人民政府衛生行政部門の許可を得なければならない。

第十九条 労働者は高温作業又は高気温作業で日射病を引起した場合、職業病と診断された場合、労働災害保険を受給する。

第二十条 工会組織は法律に基づき雇用機関の高温作業、高気温作業労働保護措置に対し監督を行う。違法行為を発見した場合、工会組織は雇用機関に対し提出する権利を有し、雇用機関は直ちにそれを改正しなければならない。雇用機関が改正を拒否した場合、工会組織は法律に基づく処理を関連部門に提案し、処理結果に対し監督を行わなければならない。

第二十一条 雇用機関は職業病防止及び安全生産法律、行政法規に違反して、労働者に健康の危害を与えた場合、県級以上の人民政府関連部門により各自の職責に従い雇用機関の整理改革又は業務を停止させる。情状が重大な場合、国家関連法律法規に従い雇用機関及びその責任者の相応の責任を追及する。犯罪を構成する場合は、法律に基づき刑事責任を追及する。

雇用機関は国家労働保障法律、業務時間、賃金手当規定に関連する行政法規に違反し、労働者の労働保障権益を侵害する場合、県級以上の人力資源社会保障行政部門により法律に基づき改正させる。

第二十二条 各省級人民政府安全生産監督管理部門、衛生行政部門、人力資源社会保障行政部門及び工会組織は本弁法に基づき、実施細則を制定する。

第二十三条 本弁法は国家安全生産監督管理総局及び衛生部、人力資源・社会保障部、全国総工会が解釈の責任を負う。

第二十四条 本弁法で“以上”摂氏度(℃)と称する場合はその数を含むものとする。“以下”摂氏度(℃)はその数を含まない。

第二十五条 本弁法は公布日より施行する。同時に1960年7月1日衛生部、労働部、全国総工会が共同で公布した《防暑降温措施暫行弁法》は廃止する。