中国

中国・企業製品原価計算制度

中国財政部は2013年8月16日付で『企業生産品原価計算制度(試行)』の発行に関する通知を配付しました。本弁法は2014年1月1日から施行されます。(原文

中国は、既に国際会計基準に準拠した会計基準(会計準則)を制定していますが、原価計算に関連する規定は、従来「「国有工業企業原価計算弁法」(本弁法の施行に伴い廃止されます。)しかなく、一般企業を対象とした原価計算基準はありませんでした。
しかし、EU諸国などから、中国は完全な市場主義ではないものとしてアンチダンピング制裁が行わるなどの状況が生じたことから、企業の生産品の原価情報の真実性、完全性を確保する必要が生じました。そこで、中国企業の国際的な競争力をよりいっそう高め、国家政策としての対外進出を徹底することを図るため、今年の3月31日までの企業製品原価計算制度に関する公開草案((財会便[2012]4号)の意見募集を経て制定されたものです。
本弁法の適用対象は、金融保険業以外の全ての産業の大中型企業とされていますが、小企業についても弁法の原価計算制度を参照するものとしています。

弁法では、企業に対し、①生産品の原価予算の編成と生産過程におけるコントロールの強化、②生産品原価と期間費用の正確な区分、③生産過程の特徴・組織の類型・生産品の種類及び原価管理の要求に基づく原価計算の対象、項目・範囲の確定、及び適時な関係費用の集計・配賦・振替、④月次で生産品原価報告表を作成、することを求め、製造業、農業、卸売小売業、建設業、不動産業、鉱物採掘業、交通運輸業、情報通信業、ソフトウェア及び通信技術サービス、教育文化、その他産業に区分して、それぞれの業種が原価計算を行う対象、原価計算項目とその範囲、発生費用の原価への帰属方法等について一般的な基準を例示しています。