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中国・深セン市社会保険費用申告納付方法の変更について

深セン市における企業従業員の社会保険費用の納付は従来、社会保険局の画面から企業情報でログインし、加入退出や基数変更を行い、企業の銀行口座より毎月20日~25日頃に自動引き落としされていました。2020年11月以降税務局による代理徴収に移管後も、引き続き社保局画面での調整と自動引き落としが有効でしたが、2024年5月、6月の試行期間を経てこの7月より正式に、他の税種と同じように申告と納付の2段階のプロセスを経て納付が実施されることになり、自動引き落とし機能が無くなりました。企業の深セン電子税務局或いは社会保険局の納付申告アプリ等で納付申告が可能となっています。

なお広州市や東莞市等は従前よりこの申告納付方式が採られており、深セン市はコロナ前の2018-2019年頃以降、税務局代理徴収への変更等を経て、今年より実施となっています。

企業における毎月の実務スケジュールを想定したプロセスの一例は以下の通りです。

  1. 当月末に給与総額計算後、翌月初に基数調整:電子税務局或いは社会保険局納付申告アプリ
  2. 当月中退職者の退出操作と、当月入社済み未加入及び翌月申告前入社人員の加入操作(前職企業から退出済みで、且つ入社から30日以内に社保加入する必要がある):元の社会保険局画面
  3. 人員、基数確認後、申告及び納付操作:電子税務局或いは社会保険局納付申告アプリ
  4. 申告操作後、申告明細のエクスポートと、納付後、納税証明のエクスポート

操作上の留意点は次の通りです。

  • 2024年7月時点の操作プロセスであり、今後もシステム変更がある可能性があるためご留意ください。
  • 社会保険費用の税務局による代理徴収により、税務局システムは、企業による個人所得税源泉徴収申告時に申告される給与額と、社会保険費用申告時の基数とを比較することができ、これは企業の申告総額だけではなく、個人レベルで比較可能となっていると考えられます。
  • 深圳市は、社会保険基数の変更が規定上前月度給与総額となっているため、毎月基数変更が可能です。
  • 会計(或いは出納)担当者は通常、電子税務局の税申告手続き権限者ログインが可能であり、同権限者はデフォルトで社会保険申告納付手続きも可能となっているようです。社会保険情報は納付基数、つまり給与情報を含んでおり、企業内部では、給与明細を取り扱う人事担当と、給与・税・社会保険費用の各総額のみを把握する会計担当の権限を分けていることも多いかと思います。税申告手続き権限者に、社会保険申告納付権限も与えるかどうかについて、管理者による確認が必要です。
  • 通知の上では毎月25日までに申告納付するよう明記されていますが、システムには申告期限は月末と表示されており、実務的には操作が可能であるようです。(2024年7月時点)

関連規定

《国家税務総局深圳市税務局 深圳市財政局 深圳市人力資源及社会保障局 中国人民銀行深圳市支局 深圳市医療保障局社会保険料の申告・納付プロセスの最適化と調整に関する公告》について(2024年6月12日発布)