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[まとめ] 分公司の納税方法に関する2つのポイント
2008年に分公司の企業所得税納税方法を変更する通知(国税発[2008]28号)が出され、一度全社で課税所得を合計したあとに本社と分公司に半分ずつ配分するようになりました。今回の規定(国税函[2009]221号)は、計算方法をより実務的に説明する内容となっています。2つの規定の内容を合わせてまとめておきます。
現地で企業所得税を納付する分支機構(分公司)の条件
現地で企業所得税を納付する分公司の条件は以下の通りです(国税発[2008]28号9~11条)。
- 主体生産経営職能を備える
- 二級分支機構
営業活動を行わない非経営性分公司は一つ目の条件を満たさないため、現地で納付しません。
また小規模低利益企業、新設分公司の第一年目はこの例外となります。
二級分枝機構とは何か?
国税函[2009]221号では新たに二級分支機構の定義がなされました。
- 総機構が財務・業務・人員等を直接統一して計算・管理する
- 「非法人営業許可証」を受領した分支機構
営業活動を行う分公司であれば、通常はこの定義に該当すると思われます。
分公司が現地で納税する場合の納税額計算方法
基本方針は「統一計算、分級管理、現地予納、一括清算、財政調庫」。すなわち、企業所得税を総機構(本社)で統一計算し、各地方で税収を管理し、各地方で予納し、総機構がまとめて確定申告し、国庫に納付された税金は財政部が地方に分配します。
企業所得税は通常四半期ごとに(または毎月)予納しますが、
- 実際利益額
- 前年度課税所得額の1/12または1/4(実際利益額による算定が困難な場合)
のどちらかに基づいて本社で税額を計算し、本社と分公司に配分します。配分比率はいずれの方法によっても本社:分公司=50%:50%、本社は25%を現地、25%を国庫に納付します。分公司が複数ある場合、この50%をさらに以下の計算式で配分していくことになります。分公司が一社の場合は関係ありません。
- ある分支機構の負担比率
=0.35×(この分支機構の営業収入/各分支機構の営業収入合計)
+0.35×(この分支機構の給与総額/各分支機構の給与総額合計)
+0.30×(この分支機構の資産総額/各分支機構の資産総額合計)
総機構と分支機構が税率の異なる地域にある場合の計算方法
例えば深セン市と広州市では2008年度の税率がそれぞれ18%、25%と異なるため、税率の異なる二つの市に本社と分公司を置く会社の納税額の計算方法が問題となっていました。
国税函[2009]221号では新たに次のような計算方法が示されています。
- 課税所得を合算する
- 課税所得を本社・分公司間に分配する(50:50)
- 各地区の税率で納付税額を計算
- 納付税額を合算する
- 納付税額を本社・分公司間に分配する(50:50)
課税所得を合算して配分し各地の税率で納税額を計算した後に、再度合算して配分する手続が必要で、やや繁雑ですね。
以上です。