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国際会計税務・相続
[相続] 2枚の遺言状、風水師が敗訴
09年10月に本サイトで取り上げた「1兆円超の巨額遺産相続をめぐって遺族と風水師が遺言書法廷闘争(香港) 」に関して、高等法院により下記の通りひとまず結論が下されました。
2007年4月に死去した香港一の女性富豪、ニナ・ワンさんの遺産をめぐる裁判で、高等法院(高裁)は2010年2月2日、唯一の相続人と自称する風水師・陳振聡(トニー・チャン)氏の主張を退け、すべての遺産はワン氏の個人基金である華懋慈善基金に帰属するとの判決を下した。チャン氏は上訴する考えを表明した。
裁判ではワン氏が書いたとする2通の遺言状の有効性が争点になった。 ワン氏は02年に全財産を華懋慈善基金に譲渡するとの遺言状を書いていたが、ワン氏の死後になって生前ワン氏と親しい関係にあったというチャン氏が登場し、06年にワン氏が財産の受取人をチャン氏に変更した新しい遺言状があると主張。チャン氏と基金はそれぞれ自らが持つ遺言状の正当性を譲らず、基金側は06年の遺言状は偽造されたものだとして争っていた。 法廷で基金側は、チャン氏は風水師の立場を利用して信心深いワン氏に取り入ったと指摘。チャン氏が持つ遺言状は偽造されたものか、そうでなければ風水の道具として書かせたものであり、いずれにしても法的効力はないと主張した。 これに対しチャン氏は、二人が17年も前から「風水師と顧客」の関係を超えた「男と女」の仲になっていたと証言し、遺言状は愛の証であり正当なものだと反論した。
官営放送局RTHKなどによると、判決はチャン氏が主張する遺言状は偽造されたものであり、署名はワン氏本人の筆跡ではないと認定。02年の遺言状は有効で、ワン氏の遺産は基金が相続すると結論づけた。また、チャン氏とワン氏の関係についても、チャン氏の主張は信憑性に欠け、二人は風水師と顧客に過ぎなかったはずだとした。 ワン氏の弟であるキョウ仁心氏は判決後、ワン氏の遺産は数百億HKドル規模に達するとの試算を明らかにし、「正義が認められた」と述べた。 一方、チャン氏の弁護人は「非常に不満」として、上訴する考えを表明した。
<以上NNAより引用>
ここでは、2つの遺言状の正当性、有効性が争点となっていましたが、香港のおける遺言状を用いた相続方法の一般的な内容やポイントについては、以下の参照してください。
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